スナック眞緒物語#3
ブログ開いていただいてありがとうございます
スナック眞緒配信週間、
たくさんのご視聴ありがとうございます!
予約客(ゲスト)もたくさん来ていただいて
毎度楽しい時間を過ごしております。
本日もよろしくお願いしますね!!!
さて、本日は第二金曜日。
スナック眞緒物語のお時間です🕑
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カランコロン。
「あら、いらっしゃい。」
お店のドアのベルが鳴り、スナック眞緒の店内に眞緒ママの甲高い声が鳴り響く。
「ここは?」
バイトのまなもに促されるようにしてカウンター席に座った50代くらいの男性は、店内をぐるりと見回して戸惑ったように尋ねた。
「あら、看板見なかったの?私の遊び場、スナック眞緒よ。」
眞緒ママが歌うように言うと、バイトのまなもがするりとお通しの枝豆と(バイトが作った)ママ特製スムージーを差し出して尋ねる。
「あまりスナックには来られませんか?…それともスナックが昼間にも開いているのが不思議、とか?」
「それもあるのですが…何故自分がここに来たのかがわからないのです。普段は気にも留めていなかったお店なのに気がついたらここに入ろうと思っていて…。」
うまく説明できずに男性は口ごもる。
「それは、貴方に悩みがあるからよ!なんでも話して!」
眞緒ママは自信たっぷりに頷いた。その眞緒ママの笑顔につられて男性は口を開く。
「…実は、妻と上手く話せないのです。早期退職をして家にいる時間が長くなったのに妻との会話は今まで通り。何を話したら良いかわからなくて。2人ともお酒は飲まないし、きっかけも何もなくて。」
眞緒ママは少し考えてから、パッと表情を明るくした。
「そうだわ!明日のお昼、奥さんと一緒にうちにデートしにいらっしゃいよ!私たちに任せてくれればきっと上手く行くわ。ね、まなも?」
「はい。信じられないし本当に胡散臭いかもしれないんですけど、うちのママはすごいんですよ!」
バイトのまなももにっこりとして肯定する。その笑顔には眞緒ママへの信頼が見え、男性は半信半疑ながらも
「わかりました。」
と頷いたのだった。
次の日。
指定された時間に男性とその妻がスナック眞緒を訪れた。
カランコロン。
「あら、いらっしゃい。待っていたわ。」
変わらず眞緒ママの甲高い声で出迎えられる。バイトのまなもに案内されたカウンター席には赤い一輪挿しに水色のツユクサが挿してあった。2人が席に座るとすぐ
「まなもの料理が終わるまでの間、特別に私が1曲プレゼントするわ!」
眞緒ママはそう言って、マイク片手にステージに上がった。
「それでは、『ひらがなで恋したい』!!」
眞緒ママのその不思議と魅了される歌声に癒されながら、夫婦は昔のことを思い出していた。
「そういえば、貴方は初めは親友の彼氏でしたね。」
妻が微笑む。
「でもすぐに別れて…気がついたら、まっすぐで綺麗で優しい、だけどすこし天然なところのある君に惹かれていったんだ。…なんだかこのセンターの子は君に似ているな。」
男性も微笑んで、目を細めてカラオケの映像に映るひらがなで恋したいのライブ映像を見る。
「あら、こんな可愛らしいアイドルと私が似ているだなんて、この子に失礼ですよ。」
妻はコロコロと笑った。
入店時のどこか気まずそうな空気は消え去り、2人の間には出会った頃のような穏やかな空気で満ちていた。
いつのまにかテーブルの上には2人の好物である様々な菓子パンやお肉が置かれていて、2人は目を丸くする。その様子を見て、眞緒ママとバイトのまなもは顔を見合わせてくすっと笑った。
そうして2人は、昔のように仲良くスナック眞緒にデートに来るようになったのだった。
今日もスナック眞緒は大繁盛♪
原案:井口眞緒 文:宮田愛萌
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お読みいただきありがとうございました