スナック眞緒物語#4



ブログ開いていただいてありがとうございます



スナック眞緒物語のお時間です🕓
本日は第四話です。
もう2ヶ月もだったのかと思うと
時の流れは速いなぁと思いますね。


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カランコロン。
「あら、いらっしゃい。」
お店のドアのベルが鳴り、スナック眞緒の店内に眞緒ママの甲高い声が鳴り響く。
「えっとぉ…?」
入口に立って首をかしげるスーツ姿の女子大生を、バイトのまなもが席に案内する。
「こちらへどうぞ。」
「…あっ!ありがとうございます!」
女子大生は慌ただしく席につくと、眞緒ママとバイトのまなもの顔を見て、えへへと困ったように笑った。
「あ、えっと、ここ!スナックですよね!お酒、あんまりわかんないんですけど、オススメください!」
「わかったわ。まなも〜ママお手製カクテル作ってあげて!」
眞緒ママがそう言ってバイトのまなもを呼ぶ。
「もう、そろそろママも自分でカクテル作って下さいよ、もう!あ、すみません、一応年齢確認してもいいですか?」
「はい!あ、学生証が、あります!」
バタバタとカバンからお財布を取り出そうとすると中から大量の履歴書や『先手必勝!内定ブック』『この本さえあれば内定が取れる!』などの若干怪しげな就職のための本が出て来た。
「カバンがぐちゃぐちゃですみません。あ、これです。」
「はい。ありがとうございます。…就活生ですか?」
バイトのまなもが問うと、女子大生ははにかみながら頷いた。
「実は連敗中なんです。もう何が私に合ってるのかわかんなくて、いろんな会社受けてみてもよくわかってないのなんかバレバレで落ちてばかりで。もうどうしたらいいのかなぁ。」
ひと息にそう言ってガクッとうなだれると、バイトのまなもが差し出したママお手製カクテルをぐいっとひと口飲んだ。
「…あ、おいしい」
女子大生が小さく呟くと眞緒ママは微笑んだ。
「まなもの作るカクテルは絶品なのよ!それで、就活連敗中でやりたいことが見つからないのね。それだったらいいものがあるのよ!」
そう言って取り出したのは『けやき坂46n期生募集』のポスター。
「もしかしたら貴女の本当にやりたいことはここで見つかるかもしれないわ!受けてみない?」
眞緒ママが若干強引に勧めると、女子大生もだんだんその気になり、受かるわけないけれど、と言いながら書類の記入を始めたのだった。


数年後。
見事合格した女子大生からの招待により、眞緒ママとバイトのまなもはけやき坂46のライブの客席にいた。overtureから始まるライブに会場は一気に熱気に包まれる。
「始まりましたね!」
緑色のサイリウムを振りながらバイトのまなもは目を輝かせて言った。
「あっ!あの子いたわ!」
眞緒ママが指差す先には、きらびやかな衣装に身を包んだあの時の女子大生がいた。ダンスは周りの人と少しずれ、音程もはずしながら、上手側の端から3番目でパフォーマンスする彼女には何か懐かしいものを感じさせた。
「……誰かを思い出しますね。」
バイトのまなもがくすっと笑って眞緒ママを見ると、眞緒ママは彼女を指差して
「振りがズレてる〜!しかも音痴だわ!あらあら」
とケラケラ笑っていたのだった。


その女子大生がこっそり、時折眞緒ママに悩み相談のような愚痴のようなものを話しにスナック眞緒に通うようになる話はまたいつか。

今日もスナック眞緒は大繁盛♪



原案:井口眞緒  文:宮田愛萌

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お読みいただきありがとうございました
ばいみん♪

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