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齋藤 飛鳥

冬の匂いを纏ったみかんを食べるのが好きです。凍てつく寒さの中で食べる豚汁が好きです。もこもことさせながら何枚も上着をきて歩くその姿はとても不格好で、これが冬だな、とシャッターを切りました。待ち侘びた春はやってこないけれど、いつまでも冬ならいつまでもみかんが食べられるし、いつまでも豚汁をすすれるし、着膨れはいつまでしたっていいですからね。それに、春が来ないことを知りながら過ごす冬だって、とてもいい。四季、季節の移り変わりに目を向けるほどワクワクしてくるけれど、そこのひとつに留まる選択肢も、ある。そうか、みか

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齋藤 飛鳥

肋骨にのめり込む頭と聞くと、痛々しい姿を想像するかもしれない。車の揺れに合わせて、そのしなだれた頭はメリメリとのめり込んでいく。たしかに肋骨はその重みを感じ、強く押されている箇所ははっきり指をさして、ここめり込んでるんだけど!と言いたくなるくらいではある。誰もが思うだろう、やめてくれと。だがここでは違う。その頭は愛する仲間の頭。この重みは少し飲んだ日本酒のせいだ。口に含む程度で止めると言っていたはずが、頭が揺れるほどになるまで気が付かなかった。この重みは愛しい重みか。揺れだけ少し抑えてほしいところだが、今

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齋藤 飛鳥

汗をかいたこのコップに、触れることは出来ない。張り付いた小さな粒を壊すことは、私の夏を壊すのとおなじ意味だから。そう思っている間にあなたはコップを握る。なんてことだ。土で汚れ、風で乾いたその肌で、その指で、乱暴に触れた。あなたが。 怖いなぁ、と率直に思う。私は繊細な人で、おんなじように繊細な人が好きなのだ。 季節の移ろいを楽しんだり、毎日伸びるあの草花に期待を寄せたり。金曜日にはフライの絵が書いてある靴下を履いて欲しいし、飛行機に乗る時に貰える飴には悩んでしまうし、ブランケットをくださいの声はなかなか届か

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齋藤 飛鳥

冬の訪れを告げるその人は、青に包まれていた。冷え切った外気の塊さえも真ん中から引き裂いてしまうその得意げな顔は、いつも誰かを安心させた。しかしある時その人が一段と温度を上げて歩いていた時、私は気付いてしまったのです。その人は日輪を連れて歩いていました。信じられないお話は唐突に日常に現れるもので、そのくせ妙に納得してしまうのは、今朝あたためたミルクが焦げ付いて離れなかったから。そうそう、信じられないといえば、皆さんにひとつお話しておかなければならない事がありますね。いや、でも今は彼の話をする時か。彼の後ろに

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齋藤 飛鳥

私のブログタイトルは、ただ長いだけのものではないのです。お気づきでしたか?何時間も何時間もかけて、緻密に計算してこの長さになっているのです。ご存知なかったでしょう?闇雲に文字を打てばいいというわけではないのですよ。そんなものには何も感じませんからね。ブログのタイトルもひとつの作品ですから、そこには人間性や感性も反映されてしまうんですね。これは油断できません。気合いを入れてタイトル作りをせねばなりません。そうこうしているうちにここまで来てしまいました。残りの文字数はあと僅か...果たしてこの少ない枠の中で何

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齋藤 飛鳥

嗚呼...あの雑誌に載っていますとか、あのインタビュー読んでほしいですとか、ななと最後のGRLさま撮ってきましたよとか、 お知らせしたいことが沢山あるんです。でもね、それをいま全て掬い上げていてはダメなんです。すみません、ひとつお知らせをさせてください。泣いて笑って過ごした今日、このブログをあげないと終われないんです。いや、泣いて笑っていないですけど...ひとまず、急ぎなんです。お許しください。。